製造業における画像処理技術は、品質管理や工程監視においてますます重要性を増しています。弊社では社内画像ライブラリをOpenCV2からOpenCV4へとアップグレードし、テンプレートマッチングにおけるマスク処理への対応を実現しました。
OpenCV2の限界とOpenCV4の進化
OpenCV2では、テンプレートマッチングにおいてマスク画像を使用することができず、背景ノイズや不要領域が一致率に影響を与えるケースが多くありました。これにより、微細な部品の検出や位置合わせにおいて誤検出が発生するリスクがありました。
OpenCV4では、テンプレートマッチングにマスク画像を指定できるようになり、テンプレート画像の中で注目すべき領域だけを比較対象にすることが可能となりました。これにより、検出精度の向上と誤検出の低減が期待できます。
製造現場での活用例
例えば、電子部品の外観検査において、端子部分のみをテンプレートとしてマッチングさせることで、基板の模様や背景の影響を排除できます。これにより、検査工程の自動化がより高精度に行えるようになり、不良品の流出防止にもつながります。
今後の展望
弊社では、OpenCV4の導入を皮切りに、AIベースの画像認識技術(YOLOやTensorFlowなど)との連携も視野に入れ、より高度な検査・分析システムの構築を進めています。画像処理の精度と柔軟性を両立させることで、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援してまいります。
画像処理の導入や既存システムの改善をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。